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徒然なるままに、無節操な萌え日記。
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驚いた…―本当に心から心底驚いた。

隣のサクラを見ればやはり自分の反応は正しいのだと思う。


「「っ―…黒鋼さんッ!?」」

「わぁー、二人ともお見事ォ~」

「うるせぇぞ…ッ」



そこには悠長にくふふと柔らかい笑みを浮かべベッドの脇に腰掛けるファイさんと…

額に濡れタオルを乗せられた俺たちの驚きの原因が不機嫌そうにベッドに横になっていた。

「あ、みんなこの部屋入っちゃダメだよ~?黒りんの風邪菌がみんなに伝染ったらみんな死んじゃうからぁ」


確かに。


…―というか、やっぱり風邪なんですね黒鋼さん。

さらりと爽やかささえ感じる笑顔で辛辣な台詞を吐くファイさんに黒鋼さんは掠れた声で抗議しているようだが、喉の奥がカサつくのか直ぐに噎せてしまって普段の威厳も迫力も半分以下だ。

思わずフッと笑みを零すと耳聡くこちらを睨んでくるものだから慌ててサクラの背を押し部屋を出る。



部屋を出る瞬間の光景に思わず頬を綻ばせるとサクラがこちらを不思議そうに見つめてきた。

ふと、扉を振り返ってみれば黒鋼さんの真っ赤な顔が思い出された。


モコナの揶揄いに真っ赤な顔をさらに赤くさせて喚く黒鋼さんの額のタオルを取り氷水に浸すファイさんの真っ赤に染まった指先。
俺たちが気付く随分前から繰り返し繰り返しタオルを冷やしたことが手に取るように分かった。
それも悟らせないようにしているのか、それともそんなこと気にならないくらいに胸を痛ませているのだろう至って普段と変わらぬ笑顔を浮かべていた。


黒鋼さんもきっと分かってる。

あの人達は何だかんだでとても仲が良いから。
それはたまに俺たち子供なんかが入り込めない空気を纏う程。


「…サクラ姫、今日は俺たちも家事手伝いましょう」

再び向き直ってサクラに微笑み掛けると大きな瞳を見開き嬉しそうに微笑む。

「そうだね!私ファイさんに習って美味しいお粥作るっ」

「モコナもお手伝いするぅ~!」



…今日は、パパとママのために子供達が立ち上がろう。

たまには穏やかな時に身を委ねて一日ベッドで体を休ませるのもいいものですよ、お父さん?


ただ、お母さんに風邪を伝染さなければいいけど…。




———————
やっちまいました、風邪ネタ。
時限的には桜都国・・・一番好きな国です。
穏やかな空気が好きです、今の殺伐とした雰囲気も堪りませんが。
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